
生き返る水分
この頃、TVの天気予報で”危険な暑さ”というテロップが流されているのをご存じですか?
このテロップが流されるようになったキッカケは、気温40℃以上を記録したことがキッカケになっています。
日本の気象庁では、35℃を超える日を猛暑日と定めていましたが、熊谷市で41.1℃の最高気温を記録したことで、猛暑日を超える規定が必要ということで”危険な暑さ”という
表現になったそうです。
もちろん、熱中症などへの対策を呼び掛ける意味合いが大きくあるからでしょう。
そんな猛烈な暑さに見舞われている日本での東京五輪開催が懸念を高めています。
特に、マラソンや競歩など、屋外で長時間にわたる競技は、選手や観客の健康に影響を与える恐れがあると、問題視されています。
最近は、TVのワイドショーなどでも、スポーツ関連の問題がクローズアップされることが多く、スポーツ団体の在り方についての議論が活発に行われています。
筆者もスポーツ産業に携わる者として、またスポーツファンとして、”選手の安全を第一に考えるべき”との思いをもっていることから、今回は亜熱帯気候化した日本で開催される東京五輪で、マラソンや競歩が安全に行える方法などを考えてみましたのでご紹介します。
目次
そもそもなぜ、真夏に五輪が開かれるのか?
1964年東京五輪は、10月10日から始まっています。
4年後のメキシコでも開催は10月でした。
それが、ここ30年間は、夏季五輪は7.8月に開催されています。
※例外としてシドニー五輪は9月に開催
その理由は、テレビ局が取材するうえで、都合がよい時期と考えているからという、あきれるものでした。
五輪がテレビ局の放映権料で莫大な利益を生み出すにつれ、テレビ局の発言力が大きくなり、開催時期や競技の開催時間まで、テレビ局の意向が反映するようになっていきます。
なぜ、夏季五輪が7.8月の開催であれば、テレビ局にとって都合が良いのか?
その答えは、この時期に話題を呼ぶ、大きなスポーツイベントがないからというものです。
五輪が9.10月に開催された場合、アメリカではアメリカンフットボールやメジャーリーグのポストシーズンと重なり、ヨーロッパでもサッカーシーズンの序盤と重なり、視聴率争いが巻き起こります。
テレビ局は五輪の視聴率を確実に上げるため、IOCは放映権料を増やすために、7.8月の暑い盛りに開催されることになった訳ですね。
IOC(国際オリンピック委員会)は、開催国を決める際、立候補都市に開催時期を7月15日から8月31日までにすることを求め、東京五輪は、7月24日から8月9日の開催期間にしたというが経緯があります。
よりによって、7月中旬からお盆までの期間は、日本で最も暑い時期です。
その期間に決める時、判断基準の中に選手や観客の健康が考えられていたのか?
はなはな、疑問です。
おそらく、招致活動の時点では、経済効果を最優先に考え、暑さのことまで考えが回らなかったというのが本当のところだろうと、筆者は考えていますが、貴方はどう思われますか?
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サマータイム導入? 小手先の方法にあきれる

暑さ対策 実証
日本が招致活動を行っていた時に提案した開催時期について調べてみたら、
東京の立候補ファイルは、
「晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」
とアピールしていました。
今年が記録的に暑いことを考慮するにしても、気象庁の過去20年間のデーターによれば、
7月最後10日間と8月最初の10日間の平均気温は32℃となっています。
東京五輪のマラソンに関しては、2016年、2017年の温度や湿度などのデーターを集計した国際的な研究チームが、選手や観客が熱中症になるリスクが高くなると警告。
研究に携わった緑地環境計画が専門の横張真・東京大学教授は、五輪史上で、東京が最悪のコンディションになりかねないと、東京大会のマラソン競技について警鐘を鳴らしました。
その警告によって、五輪組織委員会は日陰やミストシャワー、照り返しの少ない舗装などの対策を施すとしています。
そして五輪組織委員会から、抜本的な対策として”サマータイム”が提言された訳ですが、
サマータイム導入という、日本社会全体にかかわる重大な問題がマラソンの暑さ対策として、唐突に上がってきたことに、驚かれた方も多かったのではないでしょうか?
マラソン関連の話題は、マラソン日本記録保持者設楽悠太・・・・・常識とは?
という記事でも書いています。よろしければそちらもお読みください。
サッカーにできるなら五輪でもできる?
FIFA(国際サッカー連盟)は、暑さが懸念されていたカタールWカップの開催時期を変更すると発表しました。
FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長が会見に出席し、2022 FIFAワールドカップ カタールの詳細について話した。
会見でインファンティーノ会長は、カタールW杯の開催期間が11月21日から12月18日までになることを明言した。カタールの気候を考慮し、従来の6月から7月にかけての開催から変更を決断したという。史上初となる“冬開催”のW杯が決定した。
また、“冬開催”のW杯となるため、ヨーロッパなどの主要リーグでは日程の変更が行われる可能性が高いと見られている。
参照:サッカーキング
ロシアWカップでも、会場によっては、35℃前後の猛暑の中で試合が行われたこともあり、
選手の健康やコンデション管理の問題が論議されていました。
カタールについては、開催を決めるまでの段階で、暑さが厳しくwカップ開催は無理だと、
反対する意見が多くあったのを、FIFAが中東での開催にこだわり、
各大陸のサッカー協会を押し切った形で決まったいきさつがあります。
そんな、強引とも思われてたFIFAが、思いがけずも、開催時期を変更すると柔軟な発想になったのは、
選手や観客の健康を第一に考えたからだと、筆者は受け止めています。
カタールは、”想像を超える暑さ”と言っていた、日本代表の選手たちもこの発表には、
ホッと一安心しているのは確かでしょう。
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まとめ
TV番組では、真夏のマラソンの危険性やサマータイム導入に関して、賛否両論いろんな意見が飛び交っています。
インターネット上でも「マラソンランナーは、鍛えているので心配する必要はない」という意見や「そもそも、マラソンのために対策など必要ない」という強硬な意見もあります。
しかし、マラソン界の超人、川内優輝選手でさえ「暑いのは苦手だから、東京五輪は無理」と公言していますし、マラソンは、五輪のフィナーレを飾る種目で当然、注目も集まり運営上の失敗は許されません。
ならば、マラソンを安全に行うために開催地を夏マラソンの実績がある、北海道や長野などの高地にするのはどうでしょう。
いっそ、カタールWカップのように五輪開催時期を変更するようにIOCと掛け合う。
五輪より、世界の注目が集まるサッカーWカップでできたのだから、東京でもできる。
それぐらいの覚悟をもって、東京五輪に取り組んでもらいたいものだと考えながら、
本文を終わります。