平昌オリンピックは来年2月に開幕です。
国内は、寒波に見舞われ、早くも例年を超える積雪があり、
ウィンタースポーツ各競技もオリンピックに向けて、前哨戦やトレーニングに
力が入ってきたようです。
そんな中、オリンピック2連覇を狙う、フィギアスケート界のエース、
というより、ウィンタースポーツを超えた、スポーツ界のプリンス。
羽生結弦選手の怪我が長引き、「練習再開のめどが立たない」という趣旨の発言が
発表され、一般新聞でも掲載されていました。
それを見て、心配されているファンの方もたくさんおられると思いますので、
この記事では、フィギアスケートで怪我が増えている原因と理由と共に、
オリンピック代表争いや、羽生選手が復帰するために必要なことをご紹介して行きます。
目次
ジャンプの高度化が傷害多発の要因
男子は4回転ジャンプが当たり前になり、
女子は3回転の連続ジャンプだけでなく、
3回転半や4回転まで取り組む選手が増えています。
ソチオリンピックで羽生選手が日本唯一の金メダルを取り、国内を熱狂させたのは記憶に新しいと、
思いますので、ちょっと思い出してみてください。
そうです。
羽生選手は、フリー演技で4回転を2回飛んで1回目サルコーは転倒。
2回目のトーループを決めて見事に優勝。
つまり、当時では4回転を2回飛ぶことが優勝へのチャレンジだったわけです。
前々回のバンクーバーでは高橋大輔選手が銅メダルを獲得していますが、
高橋選手は4回転を飛んでいません。
ちなみに、銀メダルはフィギアスケートの皇帝といわれたロシアのプルシェンコ選手でさえも、
4回転は飛んでいません。
当時は、ジャンプの評価点は低かったために、
あえて、転倒のリスクがある4回転ジャンプを飛ぶことをやめ、
3回転の連続ジャンプやスピンなどの見栄えを重視した結果です。
ジャンプの評価が低かったことが最もわかりやすい事例は、
浅田真央選手でした。
バンクーバーで3回転半を飛んで銀メダル。
金メダルは、3回転の連続ジャンプのキム・ヨナ選手。
両選手とも、華麗で素晴らしい演技でしたが、演技構成点と表現力の差でキム・ヨナ選手が金メダルでした。
浅田真央選手は、トリプルアクセル3回転半ジャンプ)に強いこだわりがあり、
オリンピック本番でも、リスクを承知でトリプルアクセルに挑んだわけです。
トリプルアクセルは浅田真央の代名詞
といわれており、
真央ちゃんはソチでも現役復帰して、周囲の反対を押し切り、
トリプルアクセルにチャレンジしました。
結果、惜しくもメダルは逃しましたが、最後のフリーは日本中に感動の涙をあふれさせ、
「イヤー、あの演技には泣けました」
とファンの涙腺を壊してしまいました。
かくいう筆者もその一人です。
いつも間にか、本題から、浅田真央ちゃんの話に移りましたが、
今しばらく、お付合いください。
選手の低年齢化が進むフィギアスケート
現在、フィギアスケート選手の中心は10代になっています。
男子では、ソチのときの羽生選手であり、今は、宇野昌磨選手が中心ですが、
女子の場合は、百花繚乱の状態です。
今、最も話題と人気を集めているフィギアスケート選手といえば、
本田3姉妹の末っ子、本田沙羅ちゃん。
次女の本田望結ちゃんとTVCMに出て人気ものになっていますが
長女のジュニアチャンピョン真凛選手に
「沙羅がシニアに上がる前に引退したい」
と言わしめる程、スケートの才能にあふれた逸材です。
その沙羅選手はまだ小学生。
あまり数多くはありませんが
一般のスケート教室をのぞいてみると幼稚園児や小学校低学年の女の子で一杯です。
わたくし事になりますが、20数年前、筆者の会社も冬はスケートリンクを運営しており、
当時小さかった3人の子供たちをスケートに連れて行っていました。
上の2人はそうでもなかったのですが、
まだ、幼稚園か小学校低学年だった次女を始めて連れて行ったとき、
ものの1時間もしないうちにスイスイ滑れるようになり、びっくりしたものです。
大人であれば、1時間もしないうちに足や腰が痛くなり、連続して滑ることはまず難しいのに、
疲れることなく、いつまでも滑れる子供の柔軟性と対応力には目を見張りました。
今は、女の子が取り組むスポーツはいろいろ増えていますが、
当時、ウインタースポーツといえば、スキーかスケートが中心でした。
(秋篠宮家の佳子様が、幼いころスケートをやっておられたのは有名。)
また、話が横道にそれましたが、本題に戻すと。
女子エース宮原選手の復活が怪我の克服に光明
ソチ五輪後、浅田真央選手の後継者、全日本選手権3連覇を達成したエースの宮原知子選手。
平昌オリンピックの有力メダル候補として、期待も高かった宮原選手が
股関節を骨折していることが判明。
2017年1月後の試合は、すべて不出場。
その間、樋口新葉、三原舞依、本田真凛選手など、10代の若手が急成長。
そんな若手の活躍を見て、宮原選手も奮起。
NHK杯、グランプリファイナルと復帰戦を戦い、
両大会ともメダルは逃しましたが、日本選手トップの成績でした。
平昌オリンピックの出場枠は、2つ。
有力な若手と代表争いの決着は、全日本選手権まで持ち越されています。
そんな宮原選手もまだ19歳。
後に続く選手がみんな若いので宮原選手は落ち着いて見え、
ベテランの風格さえありますが。
それでも充分に若い。
怪我を克服した宮原選手。
それを追う10代の若手選手との五輪枠獲得の争い。
これは、フィギアスケートファンでなくても盛り上がるでしょう。
羽生結弦選手はオリンピックに間に合うか?
宮原選手の復帰は羽生選手にとっても一筋の光明になったことでしょう。
比べるわけではないですし、比べることもできませんが、
股関節骨折という重大な傷害の宮原選手がリハビリや筋力強化にトレーニングで
復帰したことは、
じん帯損傷の羽生選手にとって、復活へ向けて、大きな後押しになっていることでしょう。
両選手ともオリンピックのメダル候補という、大きな重圧を背負い、
精神面での圧迫が半端ないと思います。
肉体強化と技術面のトレーニングよりも、メンタル強化。
心の持ちようが復帰を早める。
宮原選手が先日のTVでもそのように語っていました。
まとめ
浅田真央選手のコーチとして知られる名伯楽、佐藤信夫コーチが語っています。
「やりたい気持ちをどこまで我慢できるか」
より高度な4回転ジャンプをより多く飛ぶ!
これが男子の争いになっています。
女子も、3回転半ジャンプや連続ジャンプの出来栄えが勝負の決め手です。
当然、ジャンプは直地の際、足首に全体重がのり、ちょっとしてミスで
怪我に直結します。
選手の7割が過去1年で身体のいずれかに強い痛みを感じた!
と新聞記事で紹介されていました。
代表争いという心理的に圧迫されているであろう選手たち。
佐藤コーチが指摘しているように、
「休むこともとレーニング」
と割り切ることも、大事です。
選手を指導するコーチを始め、関係者の期待。
選手の活躍を期待し、見守るファンの視線。
応援の声が大きくなり、増えれば増える程、逆に選手を委縮させます。
選手たちが心身共に、万全な状態でオリンピック争いに望めるように
ファンは、期待を込めて見守りましょう。
きっと、羽生結弦選手は大丈夫です!
という期待を込めた結論でお終いです。
最後までお読みいただき、有難うございました。