走るのが嫌いな小さな幼稚園児をお持ちのお母さん。
幼稚園の運動会やマラソン大会が近づくと何かと心配になりますよね。
うちの子は足が遅く、びりになったらかわいそう!
足が遅いと、仲間外れにならないかしら?
なんて、本気で心配をされています。
筆者は会社の事業で、長年、スイミングスクールを中心にした児童健康教室を運営してきました。
当初は、小学生以上を対象にしていましたが、ご父兄の皆さんからの要望で、
幼児対象にした、スポーツ・カルチャー教室を開講し、たくさんの種目を教えています。
今回は、走るのが”嫌い””苦手”という幼児のお母さん方に、子どもたちが楽しく、
走り回るようになる方法を、幼児の運動指導を行っている体験に基づき、スクール【運営者の視点】で
取り組み方をご紹介してみます。
少しでも参考になれば、うれしい限りです。
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目次
走るのが”遅い””苦手”は思いこみかも?
お母さんがたは、いま時点の我が子の状態を見て、取り組む運動や種目を選んでしまいがちです。
我が子は、”運動が苦手””走るのが遅い””運動オンチ”、
だから、”かけっこ”の練習をさせよう!
でも、はたしてそうでしょうか?
ひょっとすると、
体を動かすことや走ることの経験がすくない。
体力が追いついていない。
などが原因で、結果として、”走る能力が隠されたまま”という可能性が高くあります。
こんな場合は、運動神経が悪いとかではなく、単に走り方とか走る楽しさとかがわかっておらずに
結果として、走るのが遅くなっているだけです。
ですから、普段の生活から走ることだけでなく、体を上手く使えるように
いろんな運動や遊びを経験することが大切になってきます。
次からは、筆者のスクールで実際に取り組んできた事例をご紹介していきますが、
心当りのあるお母さんもたくさんおられると思います。
じっくりと読み進めてください。
”かけっこ”じゃなくて、遊びのなかに走りがあるという考えが大事
一口で幼稚園児といっても、年少・年中・年長とでは、体格も性格も成長度合いまで、
一人一人バラバラです。
年少・年中さんは、体力がまだついてなく、やったことがないことだらけで
なにか新しいことをやらせても、すぐにやりだす子、尻込みする子とこれまたバラバラ。
尻込みする子は、性格的に引っ込み思案でおっとりしていますから、いきなり走り方だけなどを
教えても、すぐに嫌がってしまい、続きません。
遊びや興味を引くことが隠れた能力を引き出す
そんな場合には、まず、”かくれんぼ”や”おにごっご”など、子供が楽しめそうな遊びや、
興味を持つことのなかで、”自然に走るよう”にお母さんやお父さんが仕向けて行くと良いです。
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具体的な例として、筆者の体験談をご紹介します。
筆者には、いま4歳児の孫息子がいます。
この孫は、小柄でおっとりした性格で、我が家に数か月間いる間、
保育園に行くのも恥ずかしがるほどですが、電車が大好きでした。
3歳前で、来たばかりのときは、友達もおらず、心配した家内が、
毎日のように、散歩で駅の近くまで電車を見につれて行っていました。
我が家から駅まで、800mほどあり、大人の足でも10分はかかりますが、
3歳を過ぎるくらいからは、”電車見に行くよ”と声をかけると、さっさと靴を履き、一目散に走りだします。
そして、駅まで一度も休まずに、走っていきますから、筆者や家内は、到底ついていけません。
さすがに母親の娘が心配して、
”車を見かけたら、止まること””交差点と踏切はジージたちと一緒にわたること”
と教え、それからは、交差点になると、筆者たちが来るのを待っていて、渡り終えると、またダッシュです。
それからというもの、興味があるものを見つけると、一気に走り出すほど、
活発になり、その成長スピードの早さに家族もびっくりしています。
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このように、
日ごろは、おっとりして、動きが遅い子供でも、自分の好きなものであれば、
我を忘れたように夢中になり、活発になるものです。
目標を決めて、子どもさんとお母さん、お父さんが”ヨーイどん”で走るだけでも、
子どもにとっては、運動の体験になります。
是非、日常生活のなかでも、遊びの中で身体を動かすように仕向けてみてください。
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好きなこと、興味があることにチャレンジ 実践編
筆者の会社には、今も1000人前後の子どもたちが通ってきています。
幼児から小学生のスイミングスクールが中心ですが、いろいろなプログラムをやっています。
なぜ、たくさんのプログラムで開講するようになったかというと、
ほとんどが、お母さん方からのリクエストからでした。
うちの子は、
走るのが苦手だから、”走り方を教えて欲しい”
運動神経が悪そうだから、”運動ができるようにしてほしい”
そんな要望に応えて開講したのが、「かけっこクラブ」。
始めは、たくさんの子どもたちが集まり、毎週一回のスクールでしたが、
回を重ねるごとに参加者が減っていき、数か月後には、閉鎖する羽目に。
「やっぱり、体力のないちびっ子たちに走り方だけを教えるのは無理がある」
と反省のうえ、次に衣替えして生まれたのが
【運動能力アップ&サッカー教室】 ※ 現在、開講しているスクール一覧
競争しないから伸びる
年長さんから小学生を対象にしていますが、
このサッカースクールは、対外試合は一切していません。
なぜかというと、子どもたちにサッカーを教えるのではなく、
”ボールをける・追っかける”を体験させることが目的だからです。
対外試合を行うようになれば、試合結果を求め、上手な子や足の速い子を優先してしまいがちです。
当然、幼稚園児のちびっ子たちの出番はなく、興味をなくしてしまうことも多くなるでしょう。
サッカーは、子どもたちの関心をひくためであり、
ボールを使った”追っかけっこ”という考えです。
ですから、種目は、サッカーでなくてもなんでも良いんです。
”いかに子どもに興味を持たせ、身体を動かせるようにするか?”
その点をお母さんは考えることが大切です。
ちなみに、運動機能アップ&サッカー教室は、発足時定員20名からスタートしましたが、
年を経るごとに増え続け、いまは50人前後、在籍しています。
中には、近くのクラブは面白くないと、車で1時間以上かけて通ってくる子もいます。
まとめ
如何だったでしょう。
幼稚園児が”走るのが嫌い”というのは、”能力が埋もれているだけかもしれない”
ということがお分かりいただけたでしょうか。
おさらいをすると、
遊びの中に走ることを盛り込み、お母さん・お父さんが一緒にやってあげるのが大切。
ということに集約されるということです。
なお、”速く走れるようにしたい”
という場合は、走る時のフォームや走り方などを練習するしかありません。
走り方については、ネットでも教本でもたくさん有りますから、
お子さんの状態を見ながら、参考にして、練習すれば、成果は出るでしょう。
いずれにしても、ご父兄なりご家族が楽しみながら、一緒にやるということが重要です。
子どもは疲れ知らずですから、一緒にやるのは大変ですが、
ご両親や祖父母の皆さんの健康のためにも、子どもと遊ぶ運動は最適です。
しっかり、子供と遊んで、ダイエットに活かしましょう。
ということでお終いです。