東京マラソンのラストシーン。
筆者は、力走する設楽悠太選手を映し出す、TV画面に向かって叫んでしまった。
「いけー、イケー、もう少しで日本新記録だ!」
「一億円ゲットできるぞ~~~~!」
平昌五輪の「マススタート」、「そだね~、カーリング」の活躍で手に汗を握った翌日。
連日のビッグニュースで、日本中が沸き立ち、
TV観戦で多くの人が、拍手や雄たけびを上げたことでしょうね。
以前の記事でランニングシューズの開発について、ご紹介していましたが、
今回は、設楽選手の快挙達成で、変化が予想される、
陸上競技界の勢力関係を、いろんな角度から、考えてみたいと思います。
目次
シューズのシェア争い、激化は必至
新記録達成直後、ネットニュースで速報が流れたのを見ていると、
優勝した設楽悠太選手がはいていたシューズは、どのメーカーでなんという製品?
という書き込みを見つけました。
以前、ナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」が人気を集めていることを
紹介した記事の中で、
ヴェイパーフライで最も先に結果を出したのは、設楽選手と書いています。
ヴェイパーフライフライが、国内で一挙に注目を集めるようになったきっかけは、
現在、最強のランナーといわれる大迫傑選手が、1017福岡国際マラソンで、
好記録をたたき出したからです。
大迫選手の強さの秘密が、フォアフット走法と厚底シューズにある。
と紹介されたことと、
箱根駅伝で活躍した、学生ランナーたちの多くが履いているのを見て、
陸上フアンの間で大きく話題を集めました。
「陸王」の影響が大きかった、走法とシューズ
中小企業の町工場が、新しい技術などを開発して行く過程をヒューマンドラマにする。
視聴率を稼げる作家、池井戸潤さんが最も得意とする黄金パターン。
銀行や、ロケット開発などに続いて、登場したのが、
ランニングシューズの開発をテーマにした、ドラマ「陸王」。
ドラマの中で、シューズフィッターさんが、一般の人にはなじみのない、
ミッドフットやフォアフットなどの走法。
そして、それぞれの走法にあったシューズなども紹介。
おかげで、
陸上ファンでない人でも、みんな、走法やシューズのことに、興味をもち、詳しくなりました。
そして、マラソンや駅伝などの大会で、選手たちの走法やシューズなどを見るという、
陸上レースの新しい楽しみ方を、教えてくれることにつながっていきます。
マラソン中継TV局もやるなぁ~! ファンの関心事を知っているかのようなカメラワーク。
マラソン中継は、2時間以上にわたる生放送。
視聴者がチャンネルを代えずに見続けてもらうには、
いろんな仕掛けが必要でしょう。
トップ争いをしている選手だけ、ず~っと映していいんであれば簡単でしょうが、
それだと、見てるほうに飽きが来て、TVの電源を切られかねません。
だから、TV局は、注目選手の動きや表情、解説者やゲストの話、盛りだくさんのネタを編集して、放送、
編集スタッフは大変だろな。ーーー と感謝しながら、視聴。
解説の増田明美さんは、注目選手の生い立ちや家族の話、趣味や好きなものなど、
驚くほど、詳しく紹介することで有名で、レースにホッする間を与えてくれています。
~~~~一部には、解説が細かすぎると不平の声もありますが、ご愛敬です。~~~~~~
中継のメインは、レースの勝敗と選手の活躍が中心なのは、当たり前ですが、
長時間の合間には、もぐもぐタイムも必要です。
註)もぐもぐタイム = 女子カーリングで話題になった癒しタイム。
(そんなことは知っとる。余計なことは書くな!の方は、ごめんなさい)
しかし、マラソンや駅伝は、TVにとって大事なコンテンツ。
見る人に飽きられないよう、娯楽性が求められているのは、当り前。
視聴者の関心、興味が勝敗やタイムなど、レース結果以外にもあるのが、
分かっているような、うれしいシーンが下のシーン。
ナイキが大喜びしたに違いないシーン
設楽選手が30㌔付近でトップ集団から、遅れ始め、
井上大仁選手へ日本新記録更新の期待が移っていきました。
しかし、ズルズル後退するかと思われた、設楽選手が、息を吹き返し、
井上選手を抜き、3位の選手も抜こうと勢いに乗ってきたとき。
まさに、抜群のタイミングで設楽選手の下半身がクローズアップ。
バッチリ、シューズも映っています。
ーーーていうか、シューズを紹介するために撮った映像みたいです。ーーー
設楽選手の履いているシューズは、何かな?
と、レース中、目を光らせていた筆者。
お~ぉ! ナイキのブルーのシューズ、底は分厚いぞ。
やっぱり、思っていた通り、ヴェイパーフライ+4%を履いていた。
と納得顔の筆者でした。
まとめ
長い間、低迷が続いていたマラソン界。
陸上界のうるさ方からは、
「駅伝に人気が集まり、若い選手がマラソンに挑戦しない」
「若い人や実業団の練習で、長い距離を走り込んでいない。
もっと、距離を走る泥臭い練習が必要」
などの声があがっていました。
「底上げを実感」と陸連
それがどうでしょう。
東京マラソンでは、
設楽悠太選手が、2:06:11秒と16年ぶり更新の日本新記録。
井上大仁選手も2時間6分台と健闘したが「ただただ、悔しい」と
次のレースを期待させる頼もしいコメント。
そのうえ注目すべきは、2時間8分台が、4選手も出現し、
東京五輪の代表選考会マラソングランドチャンピョンシップ(MGC)の
出場権を6選手が獲得。
大迫傑選手は、福岡国際マラソンの活躍で
長距離NO.1選手といわれていました。
しかし、同学年の設楽悠太選手が日本新記録を更新したことで、
競争心に火がともったことでしょう。
陸連のMGCプロジェクトリーダー瀬古さんや、
前日本記録保持者の高岡寿成・カネボウ監督などは、
瀬古さん「設楽悠太選手は、僕たちたちとは、チョット違う人。逆に言えば、僕に無いものをもっている」
高岡さん「設楽選手は我々にとって、よくわからないところがあり、それが逆に可能性を感じさせる」
などと、設楽選手の未知に期待するコメントをしています。
確かに、設楽選手のインタビューの受け答えを聞いていると
なんともユニークな考えの持ち主の様です。
日本陸上にインパクトを与えた、設楽選手の快挙。
オリンピックと並び、国民に喜びを与えてくれたことに感謝!
設楽悠太選手、有難う。
次回は、そんな設楽選手の考え方や練習の取り組み方などを紹介したいと思います。
こうご期待!