ぬか漬けをつけるため、ぬか床をかき混ぜると、手がツルツル、スベスベになることをご存じですか?
ぬか漬けをつけている方には、当たり前ですが、初めての人はびっくりするでしょう。
筆者は、漬物がだいすきで、食卓には必ずないと食事をした気がしない人間です。
ですから、”毎日、美味しいぬか漬けを食べたい”
という強い思いがあり、夏前から、ぬか床管理を自分でやるようしました。
そして、ぬか床をかき混ぜた後、手がすべすべになることを体感し、
なんでぬか床が健康や美容に良いのか、興味がわき、いろいろと調べてみると、
ぬか床には女性に注目の美容成分だけでなく、
健康に必要な成分がたくさん含まれていることが分かりました。
そこで、今回は、ぬか床の持つ、健康や美容に良い成分はなんなのか。
また、その成分や含まれる栄養素などをご紹介してみます。
この文章を読み、ぬか漬けの健康・美容効果を知ったら、
貴女もきっとぬか漬けの魅力にはまることは、間違いなしでしょう。
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目次
ぬか漬けの効果は、米ぬかパワーが生み出す
ぬか漬けは、”米ぬか”に”塩”と”水分”を混ぜ合わせて作られる”ぬか床”に、
野菜や果物を漬けた日本独自の発酵食品で、植物性乳酸菌が豊富な健康食として、
注目を集めています。
貴女もTVや雑誌などで、”ぬか漬け”に、健康・美容効果があるということは、
知識として知っておられるのではないでしょうか?
では、なぜ、ぬか漬けは、健康・美容効果が高いのかというと、米ぬかのおかげでした。
米ぬかには、野菜の栄養価を増やすパワーを持った成分が豊富に含まれていて、
あまり知られてはいませんでしたが、まさにスーパーフードだったんです。
豆知識ぬか漬けの歴史は、江戸時代に精米技術が発達し、玄米から米ぬかを分離することができるようになってからですが、意外と歴史が浅いことと、ぬか漬けは、米ぬかの力で生まれていることがわかります。
米ぬかパワーの栄養素
そもそも、米ぬかはどうしてできるの?
と疑問に思った貴女に、米ぬかが取れるまでをご紹介しましょう。
簡単に言うと、米ぬかとは、玄米を精米にするときに出る、粉のことです。
【米ぬかができるまでの流れ】
田んぼで育っているとき ⇒ 稲
稲刈りして、脱穀 ⇒ 籾+わら
籾すりすると ⇒ 玄米+もみ殻
玄米を精米すると ⇒ 白米+ぬか
玄米と白米の栄養価
米ぬかには玄米の表皮と胚芽が含まれている貴重な天然成分です。
~~~~米ぬかには玄米の90%の栄養素が含まれています~~~~
では、玄米と白米の栄養素を比べてみると、その違いは一目瞭然。
【玄米VS白米 100g当たりの栄養成分比較】
玄米100g | 白米100g | ☆ ビタミンB1は、白米の約20倍!
☆ 食物繊維は、ほうれん草の約10倍! ☆ お米全体の7割以上ものミネラル分を含む! ※ ミネラルには注目のシリカ(ケイ素)も含まれている。 ☆ 米ぬかは玄米の持つ栄養素の9割を持っている健康食材。
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マグネシウム | 110㎎ | 23㎎ | |
リン | 290㎎ | 95㎎ | |
鉄 | 2.1㎎ | 0.8㎎ | |
亜鉛 | 1.8㎎ | 1.4㎎ | |
マンガン | 2.06㎎ | 0.81㎎ | |
ビタミンB1 | 0.41㎎ | 0.08㎎ | |
ビタミンB6 | 0.45㎎ | 0.12㎎ | |
ナイアシン | 6.3㎎ | 1.2㎎ | |
食物繊維総量 | 3.0g | 0.5g |
※文部科学省・食品データベースより
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ぬか漬けは栄養と植物性乳酸菌の宝庫 腸内環境を改善
米ぬかのパワーはお分かりいただけたと思います。
では次は、米ぬかパワーから生まれる”ぬか漬け”の特徴である3つのポイントをご紹介して行きます。
ぬか漬けパワー 1 野菜のビタミンB1量を約10倍に増加
ぬか床中で野菜が漬かる際に、米ぬかに含まれるビタミンB1が野菜の中へ浸透します。
例えば、きゅうり(100gあたり=約1本分)に含まれるビタミンB1(0.03mg)は、
ぬか漬けにすると約10倍(0.26mg)に増加。
きゅうりに限らず、生野菜の状態より、ぬか漬けにした方がビタミンB1含有量が増加するということです。
ぬか漬けパワー 2 ビタミンB1のほかにも豊富な栄養成分
ぬか漬けには、ビタミンB1のほかにも栄養素が凝縮しています。
「米ぬか」に含まれている「米油」に次のような、さまざまな機能性成分が含まれているそうです。
~~~~~ だから、ぬか床を掻き混ぜたあと、水をはじくんですね。納得!~~~~~
【おもな栄養成分と期待される効果】
ビタミンE(トコトリエール) | 脂質酸化防止作用など |
r−オリザノール | 抗酸化作用など |
フェルラ酸 | 抗酸化作用、紫外線吸収など |
フィチン酸 | 抗がん作用、抗酸化作用、抗脂肪作用など |
イノシトール | 抗脂肪肝、動脈硬化予防、カルシウム吸収促進など |
植物ステロール | アンチエイジング、コレステロール吸収抑制など |
特徴的な3つの栄養成分
トコトリエノールは、非常に高い抗酸化特性を持ち、科学的研究にて今非常に注目されているビタミン。
別名スーパービタミンEとも呼ばれるくらいです。
ガンマオリザノールは、米ぬかに含まれる特有の成分、酸化防止剤としてられるポリフェノールの1種。
米油には、27種類の植物ステロール(ファイトステロール)が発見されており、
他の植物オイルよりもその含有量が非常に優れているのが特徴。
ぬか漬けパワー 3 生きて腸まで届く強い「植物性乳酸菌」
乳酸菌の効果は、広く知られています。
特に、ヨーグルトは、日本の食卓でもおなじみになっています。
しかし、ヨーグルトやチーズは動物性の乳酸菌で、酸に弱く、生きたままでは、
腸まで届かないという弱点があります。
しかし、ぬか漬けに含まれる乳酸菌は、植物性の上、生きたまま、腸まで届く、強い乳酸菌なんです。
しかも、ぬか床の中には、1グラム当たり約1億個の乳酸菌が生きているそうですから驚きです。
その数は、漬け始めからわずか1週間程度で爆発的に増え、発酵スピードが進んでぬか床が酸性になり、
植物性乳酸菌以外の微生物が生きられない環境になるそうです。
数を増やし、自分たちにとって居心地の良い環境にしてしまう植物性乳酸菌のパワー、凄いですね!
詳しいことは、以下の漬物博士の小野浩さん(農学博士)のインタビュー記事をお読みください。
米ぬかと野菜の両方に含まれる植物性乳酸菌が、「ぬか床」の発酵とともに乳酸球菌→乳酸桿(かん)菌へとバージョンアップ。塩分濃度が高く過酷な「ぬか床」の環境を生き抜くことで、生きたまま腸まで届く強い防衛パワーを身につけます。
そうした強い植物性乳酸菌が宿った漬物を摂取すると、腸内の善玉菌が増え腸内環境改善効果が期待できます。
腸内環境が良くなると、免疫力も高まり、アレルギー予防や整腸作用、疲労回復などの健康効果へつながるそうです。
「漬物の野菜には食物繊維も含まれています。植物性乳酸菌と食物繊維を一度に摂取できるぬか漬けは、とても合理的で健康的な食品といえるでしょうね」
植物性乳酸菌の「ラクトバチルス・プランタラム」が「腸内環境改善」「美肌」「集中力向上」に効果があることを漬物機能研究所がヒト試験で実証し、2017年に発表しました。「今後、老化予防や認知症予防との関係性など引き続き試験・研究したいと考えています。
参照 : クックビズ総研・東海漬物
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まとめ
如何だったでしょうか。
日本の伝統食である”ぬか漬け”のパワーをお解かりいただけましたか?
魅力的なぬか漬けの効果ですが、塩分が心配だという方も多くおられるでしょう。
~~~~筆者も高血圧で塩分が気になります~~~~
漬物博士の小野さんによると、
持病があり塩分を控えた方がいい場合や、極端に偏った食べ方をしない限りは気にしなくて大丈夫そうです。
これで、安心して、ぬか漬けを味わえますね?
ぬか漬けは豊富や栄養成分と栄養素を含み、
米ぬかが野菜に栄養価をパワーアップさせる、優れた食品だということがわかったところで、
貴女も早速、ぬか漬けつくりに挑戦してみては如何でしょう。
ということで本文はお終いです。
~~~~編集後記~~~~
筆者は、いろいろ”ぬか漬け”について調べているうち、
米ぬかには、オリザブランという”天然米エキス”が含まれていて、
そのオリザブランの効果で皮膚の水分が一定に保たれていることがわかりました。
米ぬかは、皮膚に適度な水分を保ってくれるので、
皮膚のたるみ、肌荒れを防ぎ、いつも、みずみずしい健康な素肌を保つ効果があるということなんですね。
そして記事を書きながら、昔、農家だった筆者の祖母が”米ぬか”を手ぬぐいの袋に詰めた「ぬか袋」を
お風呂に入れていたのを思いだしました。
”ぬか袋”をお風呂につけていると、お湯が白く濁り、まさしく、米を洗うときに出るとぎ汁と同じです。
そのお風呂に入ると、肌がすべすべになり、しっとりとしますが、
祖母は、間違いなく、ぬかが肌に良いことを知っていて、使っていたんだと確信して、
昔の人の知恵に驚かされました。
最近では、米ぬかを原料とした、洗顔材や化粧水、シャンプーなどが
女性に根強い人気がある様です。
筆者の家内も、長年、米ぬか化粧品を使っていますが、
最近までは、なんで、米ぬかの化粧品なんかを使っているんだと不思議に思っていましたが、
自分でぬか床をかき混ぜはじめ、しっとり、スベスベ効果を体験しましたから、
いまは、なるほどな! と納得しています。