ソフトバンクホークスは、開幕前予想では圧倒的な戦力で連覇間違いなしと言われていました。
ところが、ふたを開けると、盤石であったはずの戦力は、投打とも故障者続出。
ブッチギリの優勝予想がまさかの3位争いと低迷して、混戦のパリーグに拍車をかけています。
しかし、ホークスファンだけでなく、大方の予想は最終的には、ホークスの勝利と思っているのではないでしょうか。
ーーーホークスファンの思い上がりとお叱りの声があるのは、重々承知の上ーーー
今回は、野球に関心がない方や、SBホークスをよく知らない方でも、
会社経営や組織の運営方法に興味がある方のために
SBホークスの強さと人気の原動力を紹介してみます。
サッカーW杯で盛り上がったメディアの報道も一段落し、プロ野球がまた話題を集めることを期待しながら書いていきます。
目次
選手を奮起させるカリスマの存在
ソフトバンクホークスのカリスマといえば、言わずと知れた、
「王貞治球団会長」「孫正義オーナー」のお二人。
野球に詳しくない方でも、ほとんどの方は、このお二人のことは知っているでしょう。
カリスマであって、いまやレジェンドともいえる、人物が自分の身近にいる。
その存在そのものが、選手を奮起させ、ファンを安心させる。
例えば、若手の上林選手は、キャンプで結果がでずに苦しんでいるとき、王会長から直に指導された時に渡されたメモを見ながら、前半戦で大活躍を果たしています。
また、今シーズン、楽天からトレードで移籍してきた西田選手は、王会長からの「前でさばけ」の一言のアドバイスから、不調を脱出、以後、ホームラン3発とブレーク中。
それほど、王会長の言葉と存在が選手たちにとって、励みになるものなんです。
絶妙な立ち位置
「両雄並び立たず」がどの社会でも普通です。
しかし、ことソフトバンクホークスでは違います。
球団に関することは、王会長が全権を掌握。
王会長は、また、経営や球団運営に関しては、各専門スタッフに権限を与える。
孫オーナーは、球団経営には一切口出しせずに、応援団長に徹する姿勢を貫く。
優勝した時に選手やスタッフと一緒にビールかけをしたり、グランドではしゃぐ孫オーナーの
姿をTVで見た方も多いでしょう。
金を出すから、声も出す。 が他球団のオーナーにありがちです。
しかし、孫さんは違います。
オーナーと球団トップの位置がこれほど、明確に分かれている球団は珍しいことです。
互いの野球への情熱を尊重
王会長は野球文化を世界に広げることを夢にして、世界の青少年野球を応援する活動をされていることを皆さんご存知でしょうか?
王会長と米メジャーリーグのレジェンド、ハンク・アーロン氏の両氏が提唱し、
世界少年野球推進財団を設立され、世界少年野球大会や野球教室の開催など、さまざまな交流事業が行われています。
世界少年野球大会は、1990年ロサンゼルス大会を皮切りに開催され、以来、毎年世界15~20カ国、地域から、たくさんの子どもたちが参加してします。
おススメ世界少年野球推進財団及び世界少年野球大会の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.wcbf.or.jp/wcbf_about.html
一方、孫正義オーナーは、ソフトバンク球団の運営に乗り出すときに
「ソフトバンクホークスを世界一の球団にしたい」
「将来、米メジャーリーグ優勝チームとソフトバンクホークスで世界一決定戦をしたい」
などと壮大な夢を語りました。
グローバルな視点を持ち、世界で活躍する孫さんだから言える言葉ですが、
世界の野球を知る王会長に夢の実現を託し、全権をゆだね、自身は応援団長に徹する。
互いがリスペクトしあう二人の間がらが、球団関係者だけでなく、選手やファンにも伝わる。
その雰囲気の良さが、選手やファンを盛りあげ、フトバンクホークスの強みにつながります。
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常勝球団を支える経営力と情報発信力
ソフトバンクホークスを金満球団という批判的な声があります。
確かに、強さの要因を挙げるときに資金力は外せません。
選手の年棒総額や平均年棒は、ソフトバンクホークスが一番高く、同じく金満球団と揶揄される巨人をも、上回っています。
そんな豊富な資金力を生み出しているのは、球団本体の経営力からです。
決して、赤字になっても親会社からの広告宣伝費などの補てんはなく、FA選手や外国人選手を獲得する際にささやかれる、いわゆる「孫正義マネー」というものも存在しなければ、グループ企業から高額なスポンサー料をとっていることもありません。
あくまでも球団の収益の中でやりくりして、ここ数年は単年黒字を上げています。
収益の源は先行投資
経営力を問われるのは投資を行う際の判断力と決断力。
孫オーナーの経営スキルの中で突出しているのがこの能力だと筆者は捉えていますが、
貴方はどう思われますか?
プロ野球球団の経営は、IT企業のソフトバンクにとって、重要なコンテンツになる。
孫さんが赤字で苦しむダイエーホークスを引き継ぎ最初に行ったのが、自社の強みを生かした情報発信の仕組みつくりでした。
球場には、インターネットで試合経過を動画で配信できるように複数のカメラを設置。
選手や球団スタッフには、iphoneやIpadを支給し、映像を見ながら練習を行える環境を提供。
ファンには、好きな選手やお得なグッズ情報などをインターネットを通じて発信。
まずは、ソフト面で情報発信を球団のインフラとし定着させ、次に行ったのが、ハードの整備でまずは、球場の自社保有。
870億円と巨額な投資を行い、ファンは心配をしましたが、結果的には球場の自前化は、
球団が生み出す収益源をすべて自前化することにつながりました。
観客動員が増え、収益が上がり、その収益をまた投資に回す。
好循環で生まれた収益でファンが喜ぶサービスを強化するため、世界最大級のホークスビジョンなどを設置。
また、戦力強化は育成に重点を置き、充実したファーム施設を創り、またまた話題を呼ぶ。
う~ん! 鮮やか、孫さん流投資術。
というしかありません。
まとめ
ソフトバンクホークスの本拠地はヤフオクドーム。
日本初の開閉式ドームや世界最大級の5連ビジョンなど、話題性は抜群で
ドームそのものが観光施設として、集客力をもっています。
加えて、ドームには地元福岡だけでなく、九州全域から、ホームゲームで250万人前後の
熱狂的なファンを動員しています。
ソフトバンクホークスの強さを語る時、必ず上がるのが育成力。
三軍制の導入や驚くほど、立派なファーム施設。
得意のITを活用し、あの手この手でファンを喜ばせる。
そして、生まれる収益はすべて球団のものになり、選手へ配布され、ファンに還元される。
なんとも見事な収益構造になっています。
その人気と強さの根源は、王会長と孫オーナーの存在と壮大な夢にあることを
ファンは知っています。
だから、ソフトバンクホークスは球団とファンが一体となって、勝ち続けるために応援するのです。
このマインドがホークスの強みだと本文を書きながら、つくづく納得した筆者でした。